遊び、特に外遊びで子どもは歩き出してから地域社会の多様な人、環境に接し、社会で生きる基本的能力を身につけます。ノーベル経済学者ヘックマンは自発的遊びが非認知能力獲得と将来の経済に影響すると報告しました。街路等での多様な人との関わりでの社会化の機能は社会関係資本ともいわれます。
まちづくりは本来、住民主体のものですが、一方に行政依存で行政に苦情を言うだけの受け身的な消費者感覚が広まっています。小さい時から外で遊び、地域のいろいろな人に育まれていたという感覚を身につけていれば、地域の多様な人とのつながりを楽しみ、主体的にまちづくりに関わります。そういう意味で外遊びは持続可能なまちづくりに大切なことです。
木下 勇 さん
大妻女子大学社会情報学部教授
公益財団法人こども環境学会 副会長