子どもは「遊び」でヒトになり,人間になる (野井真吾さん)

いうまでもなく,ヒトは「動物」です.動物は“動く物”と書くように,元来,動かなければヒトにも人間にもなれません.また,ヒトは「人間」でもあります.人間は“人の間”と書くように,家族や仲間と群れて進化してきました.決して,一人で進化してきたわけではありません.このことは,いまを生きる子どもたちも同じですし,AI社会が到来しても同じです.むしろ,「動くこと」,「群れること」が制約されそうな,そのような社会になればなるほど,そのことを強く自覚しておく必要があると思います.
その点,「動くこと」,「群れること」を必然的に保障する遊びには,子どもたちの「育ち」と「学び」が必然的に保障されています.裏を返すと,子どもたちがヒトになり,人間になるためには,「遊び」が不可欠なのです.遊んでいるときに子どもたちの目が輝くのはそのためなのだと思います.発達欲求なのだと思います.このように考えると,「遊び」には無限の可能性があるといえそうなのです.

 

 

 

野井 真吾 さん

日本体育大学 教授
子どものからだと心・連絡会議 議長